吉田悦志ゼミナール 明治大学国際日本学部

Etsushi Yoshida Seminar

本日のゼミ記録(後期第5回)

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本日もやります、ゼミ記録。

今日はお休みの人が多くて、なんだか最初はグダッていましたが、いざ議論を始めたら予想外に盛り上がりましたね。せっかくなので、休んだ人のためにもちょっと内容をまとめてみます。

①(勝と龍馬の違いの話から)維新活動において、勝は「企画者」で龍馬は「実行者」といえるのでは。また、日本の幕末維新期にはその両方の資質を持っていた人物がいないように思える。

②ナポレオンに代表されるようなヨーロッパの革命家は自分で行動し、自分の考えを主張したので「企画者」と「実行者」両方兼ねていたのではないか。また、それがヨーロッパの革命と日本の幕末維新の違いの一つではないか。

③さらに言うと、ヨーロッパの革命は「市民革命」と呼ばれるように民衆全体を巻き込んでいるが、幕末維新は一部の人間しか活動しておらず、何が起きているかすら民衆全体には伝わっていないところも違う。「民衆が動いた」という意味では維新後の大正デモクラシーの方が当てはまる。

④そう考えると、幕末維新はヨーロッパの市民革命に比べて中途半端な革命ではないか。ある程度、身分制度に変化はあったかもしれないが、結局それまでは幕府がいた位置に維新の志士達が入れ替わりで入っただけで、権力者と民衆の上下の関係性は依然残ったままのように思える。また、その上下関係が薩長の藩閥政治に繋がり、軍国主義、天皇絶対主義のような体制になってしまったようにも考えられる。

⑤結果的にそれが戦争を招くことになったのだし、革命の1つの目標である民主主義社会が出来上がったのも敗戦後なことを考えると、やはり幕末維新はヨーロッパの革命に比べて、中途半端で、1つ次元の低い革命なのではないか。

⑥また、維新後に出来た社会は龍馬や勝が理想とした社会とは違ったのではないか。彼らが考えていたのはもっとみんなが横並びで、上下関係のない社会なのではないか。

とりま、今日の話はこんな感じでしたかね。風呂入りながら思い出しました。いやー。話してて今日は久々に脳みそ回ってる感じがしました。ここんとこはいまいち回ってなかったので、個人的に楽しかった。自分は議論してて何が楽しいって、その「脳みそ使ってるわー」って感覚がイイわけなんですよねー。

まあ、それは置いといて、こうまとめてみれば、そんな難しい話の展開はしてないし、詳しい歴史の知識なくても分かるんじゃないかと。

それにプラスして、先生から

「ヨーロッパとの大きな違いは産業革命を経ていないことで、それによって生まれてくるような巨大資本家が活動せずに、維新期に動いたのは元から上の立場であった武士である」

「民主主義社会まで考えていたような龍馬や勝でさえ、訴えたのは大政奉還で、底流には尊王論がある。尊王論と日本人を考えてみる事とも大切かもしれない。」

というトピックスをもらったので、来週はそれも踏まえて議論を続けます。

なので、来週も課題図書は一応『勝海舟 私に帰せず』ですよ。今週は読み切れなかった人も多かったので、来週までにはっ!オレも読むよっ!休んでいた人や、ちょっと今日議論に付いて来れなかったって人は上のまとめをご参考にどうぞどうぞ。せっかくイイ感じに議論できてるんだし、色んな人の意見が出ればさらによろしいかと思いますよ。

そいえば、来年のゼミ新入生は12人集まってくれたとのこと。議論をするゼミだから、ある程度人数いないとどうかな~と思っていたんですが、これだけいればイイ感じなんじゃないでしょうか。

あ。それと、ゼミ休む時はメーリス回すか、誰かしらにメールの一通は入れましょうぜ。

須山。

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