吉田悦志ゼミナール 明治大学国際日本学部

Etsushi Yoshida Seminar

本日のゼミ記録(後期第9回)

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 本日は『峠』の議論2週目でした。

 が、自分の発言から、何だかだいぶ『峠』から思いっきり外れた議論になってしまった感じが。司会とレポーターの人なんだかすいませんw いや。議論自体は良かったと思いますけどね。ああいう話もイイ。

 その発言の繰り返しにはなりますが、やはり歴史小説を読んでその内容や思想を、その作品の中、その時代の中だけじゃなくて、現代や自分自身に照らし合わせて考え、議論してみることはこれからやっていくべきだと思います。今までもなんとなくやっていた所はありましたが、ハッキリと明示はしてませんでしたからね。これからは意識していきましょう。

 描かれている出来事や思想に対する見方・考え方を広げる、議論の幅を広げるという意味はもちろん、そういうことをやってこそ作品を評価したり、そこから何かを学んだり、新しい考え方を得たり、逆に「これは違う」というような自分自信の考えをしっかりと持つことなんかに繋がるのかなーと思います。

 そうそう。議論の最後でうまく転がって、継之助の話に絡めることができたところは、議論の流れとして良かったのではないでしょうか。

 「情報伝達のレベルも低く、方言のせいで薩摩の人と東北地方の人が会話することすら難しかったことを考えると、やはり幕末期の人々にとって自分が帰属意識を感じる“国”は藩であったろう。そう考えると、継之助があくまで藩を強くし守ろうとしたこと、主君である牧野家の守ろうとしたことは自然なことであり、この人が特別に頑なだったとも言えないのかもしれない。」

 「藩が現代で言うところの“国”という状況であるなら、龍馬がしていた「藩から踏み出て日本全体を見る」とか「日本という立場で外国の脅威と向き合う」というのはつまり、現代で言えば「日本だけじゃなく地球全体、人類全体の利益を考える」だったり「地球に侵攻してくる宇宙に向かいあえ」というような感覚にも近かったのかもしれない。そこまでではないにしろ、それに近い感覚であったなら、むしろ変人なのは龍馬の方で、継之助の方が現実的な行動を取ったと言えるかも。」

 みたいな論議。イイと思います。まさに、“現代”っていう比較要素を持ち込んだからこそ出てきた見方でしょう。

 例えに使ったのがSFちっくでちょっと笑えましたけど、それもイイと思いますね。小難しい例えより、よっぽどイメージが湧きやすい。笑えてるってことは、それだけ頭でイメージできてる証拠ですから。それこそ、ゼミの中でも出てきた「頭の良い人の話ほど、分かり易い」ということじゃないでしょうか。天才的な人がいなくたって、みんなで議論していけば、そういうものが出てくるってわけです。それこそまさにゼミのイイとこ。

 来週の課題は、早乙女貢『竜馬を斬った男』です。一冊なので必ず読み切ってきましょう!

 あとスポーツ大会の打ち上げ兼忘年会も予定!楽しみましょう!

須山。

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