おはこんばんにちは。4年の田中です。前回のゼミの日にちょこっと3年生のゼミを見学し、おこがましくもレポートのお手本みたいなことをしてしまいましたが、皆真剣に聞いてくれていたようなので安心しました。3年生みんなシャイですね。もっとわいわいがやがやしていいのに!一回6限の私たちの授業見てみてほしいなーと思いました。質のいい深い議論は、笑いがあって遠慮が無い環境が一番だと思います。我々のお笑い担当の実力をその目に焼き付けてください。とにかく、これからどっさり本を読むことになると思いますが、めげずに頑張って行きましょう。読む、語る、集うです!4年生も一週目に気合入れ直したし、なんだか幸先のいいスタートですね!夏合宿が楽しみです!
と、前置きが長くなりましたが本題に入ります。
今日本屋で浅田次郎先生の「すべての人生について」という本を偶然見つけました。ちょこっと開いてみたら、ふむふむ、どうやらいろんな雑誌で行われた浅田先生の対談集のようです。で、目次を見てたらなんと国際日本学部の張競先生の名前が!浅田先生と対談なんていつしたのうらやましい許せん、ということで購入。さっき気になるところだけ読んでみたのですが(ちなみに張先生は中国史のお話しかされていなくて、ついていけなかったので途中で諦めました)これが面白い。
特に北方謙三先生や津本陽先生との対談は非常に興味深かったです。歴史小説家同士なので、歴史とフィクションという観点から彼らにしかできない話もしていますし、普段は明言されない「どの人物が好きで、どの人物が嫌いか」なんてところも書かれていて単純に面白いです。新撰組オタクな津本先生との対談は双方熱くなっていてちょっと笑えます。いち、歴史ファンとして私たちとそんなに大差ないのかもと。
それから、当たり前かも知れませんが、私たちの知識の不十分さ至らなさというのも同時に感じました。浅田先生始め幕末の歴史について対談している人のほとんどが、勝海舟をあまり支持しておらず、山岡鉄太郎の方を功労者としてたたえていました。また、北方先生は西郷の器が大きい寛大な人物というイメージに否定的で、むしろ幕軍を見捨てて逃げてしまった慶喜の方が開明的で時代の先を読めていたのではないか、と話しています。(浅田先生は慶喜が大嫌いです。) こういう点を見ると、かなり読んで勉強してきたつもりでも私たちはまだ「目立つ人物の目立つ面」というところに目が行きがちなのかなーと思いました。そういう意味でも、何かと薩摩や龍馬の影に隠れがちな長州藩にスポットをあてた「世に棲む日々」は非常に楽しみです。
また、元台湾総統の李登輝氏とは「武士道と愛国心」というテーマで、歴史教育とか道徳とか、国際化する社会におけるアイデンティティーのありかたとか、まるごと私たち現代人に投げかける内容のお話をしています。これから読みますが、森永卓郎先生や中村勘三郎さんあたりも現代に引きつけた話をしてくれていると思います。以前「峠」をゼミで扱ったときに、「自分の身にひきつけた読み方」をしていこうっていう話が出たのを覚えていますか?ここで対談に出演している知識人たちの言葉の中に、たくさんそのヒントがあると感じたので、暇があればぜひ皆にも読んでほしいなあと思いました。
一本一本の対談は短いですし、喋ったまま書かれているので案外すぐ読み終わります。私も30分ほど読んでこれを書いているくらいです。というわけで、興味がある方はお貸ししますので言ってください!
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1106026058/subno/1
p.s.相も変わらず稚拙な文で申し訳ないです。ネタバレにならない程度に面白さを伝えるって難しいですね。上手い推薦文が書けないんですが、誰かそういうの得意な方いたらお手本見せてくれませんか。