吉田悦志ゼミナール 明治大学国際日本学部

Etsushi Yoshida Seminar

2010年10月29日
から 須山
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本日のゼミ記録(後期第5回)

本日もやります、ゼミ記録。

今日はお休みの人が多くて、なんだか最初はグダッていましたが、いざ議論を始めたら予想外に盛り上がりましたね。せっかくなので、休んだ人のためにもちょっと内容をまとめてみます。

①(勝と龍馬の違いの話から)維新活動において、勝は「企画者」で龍馬は「実行者」といえるのでは。また、日本の幕末維新期にはその両方の資質を持っていた人物がいないように思える。

②ナポレオンに代表されるようなヨーロッパの革命家は自分で行動し、自分の考えを主張したので「企画者」と「実行者」両方兼ねていたのではないか。また、それがヨーロッパの革命と日本の幕末維新の違いの一つではないか。

③さらに言うと、ヨーロッパの革命は「市民革命」と呼ばれるように民衆全体を巻き込んでいるが、幕末維新は一部の人間しか活動しておらず、何が起きているかすら民衆全体には伝わっていないところも違う。「民衆が動いた」という意味では維新後の大正デモクラシーの方が当てはまる。

④そう考えると、幕末維新はヨーロッパの市民革命に比べて中途半端な革命ではないか。ある程度、身分制度に変化はあったかもしれないが、結局それまでは幕府がいた位置に維新の志士達が入れ替わりで入っただけで、権力者と民衆の上下の関係性は依然残ったままのように思える。また、その上下関係が薩長の藩閥政治に繋がり、軍国主義、天皇絶対主義のような体制になってしまったようにも考えられる。

⑤結果的にそれが戦争を招くことになったのだし、革命の1つの目標である民主主義社会が出来上がったのも敗戦後なことを考えると、やはり幕末維新はヨーロッパの革命に比べて、中途半端で、1つ次元の低い革命なのではないか。

⑥また、維新後に出来た社会は龍馬や勝が理想とした社会とは違ったのではないか。彼らが考えていたのはもっとみんなが横並びで、上下関係のない社会なのではないか。

とりま、今日の話はこんな感じでしたかね。風呂入りながら思い出しました。いやー。話してて今日は久々に脳みそ回ってる感じがしました。ここんとこはいまいち回ってなかったので、個人的に楽しかった。自分は議論してて何が楽しいって、その「脳みそ使ってるわー」って感覚がイイわけなんですよねー。

まあ、それは置いといて、こうまとめてみれば、そんな難しい話の展開はしてないし、詳しい歴史の知識なくても分かるんじゃないかと。

それにプラスして、先生から

「ヨーロッパとの大きな違いは産業革命を経ていないことで、それによって生まれてくるような巨大資本家が活動せずに、維新期に動いたのは元から上の立場であった武士である」

「民主主義社会まで考えていたような龍馬や勝でさえ、訴えたのは大政奉還で、底流には尊王論がある。尊王論と日本人を考えてみる事とも大切かもしれない。」

というトピックスをもらったので、来週はそれも踏まえて議論を続けます。

なので、来週も課題図書は一応『勝海舟 私に帰せず』ですよ。今週は読み切れなかった人も多かったので、来週までにはっ!オレも読むよっ!休んでいた人や、ちょっと今日議論に付いて来れなかったって人は上のまとめをご参考にどうぞどうぞ。せっかくイイ感じに議論できてるんだし、色んな人の意見が出ればさらによろしいかと思いますよ。

そいえば、来年のゼミ新入生は12人集まってくれたとのこと。議論をするゼミだから、ある程度人数いないとどうかな~と思っていたんですが、これだけいればイイ感じなんじゃないでしょうか。

あ。それと、ゼミ休む時はメーリス回すか、誰かしらにメールの一通は入れましょうぜ。

須山。

2010年10月27日
から 吉田 悦志
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問題提起by吉田

龍馬の有名な「今一度日本を洗濯いたし候」という手紙文について、皆さんはどう考えますか?どんな日本をどう洗濯するのか、あるいは「今一度」とは、というような事をよくよく考えずに、我々だけではなく、素通りしてきたのではありませんか?チョイトと考えてみて下さい。この部分のフレーズだけではなく、このフレーズを含む本文全体から考察してみる必要がありそうに思います。

2010年10月21日
から 須山
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本日のゼミ記録(後期第4回)

 どうも、こんばんは。須山による本日のゼミ記録のコーナーがやってまいりましたよ。

 今日は坂本龍馬に関するDVDを見ましたね。内容的には海援隊結成以後の龍馬の活動を中心に、現存の資料を元に紹介・説明する、といった感じのものでした。まあ、うちのゼミ員はみんな司馬遼太郎『竜馬がゆく』や山村竜也『史伝・坂本龍馬』を読んでいるわけだし、さらには実際に高知まで足を運んでいるから、内容自体に新鮮味はなかったかも?でも、フィクションのほとんどない説明はわかりやすかったですね。

 それにしても、やっぱり龍馬はずば抜けて変な奴ですよねぇ。革命活動に、海戦参加、大藩から賠償金を掻っ攫うような豪胆・大物っぷりの一方で、海運商売や出版、新政府構想では為替レートにまで目を向ける先見性と現実主義者の一面。さらに、家族への手紙ではユーモラスな一面も・・・と、こんなにも色んな資質を持った人間は、偉人だらけの幕末でもやはり特別なように思います。

 それに、こういう龍馬の決断力、交渉力、発想力、商売力、先見性、柔軟性って、それこそまさしく、目下わたくし達にとって一番の関心ことであるところの就活、さらには社会に出て必要になってくる能力のようにも思えます。龍馬から学ぶべきことは多いですなあ。龍馬すげー。

 

 来週は『勝海舟 私に帰せず』上・下が課題です。またまた上下巻の2冊ですが、一応一週での予定。なかなか読み応えがあるようですが、頑張りましょう。レポーター、司会は特に大変だろうけど、よろしく。ただ、議論がまとまらなかったり、どうしても読み終えていない人が多かったら二週間にわたってやることも考えてますので。

 最近は就活から逃れ得ぬ時期になってきて、学校に行けばその話ばかりになってきました。みんなゼミ以外の部分でかなり忙しくなってきてるはずです。自分なんかは読書が生活の一部で、ゼミが無くたっていっつも何かしら読んでるもんですから大して感じないんですが、ゼミの課題図書がある意味で負担になちゃってる人もいるんじゃないかと思います。

 ただ、就活があるからってゼミをないがしろにするのは、それはそれでなんだかなぁって感じですし、何と言ってもこのゼミの基礎は「読書」にありますから、課題をゆっるゆるにするわけにもいかない。本当に大変だとは思いますが、各々でうまいこと両立させていきましょう。ま、個人的にはその辺に関して何か意見があればゼミの時間にでも言ってくれて構わないですし。自分自身の読書感覚だけで話を進める恐れもあるし、誰かにとってあまりに大きな負担になっているのも、気分良くはないですからね。

 来週こそはフィールドワークの話を少し。またまた、みなさん就活で忙しいので、予定合わせるのが至難の業な気もしますが、とりあえず話だけは・・・都内で江戸・幕末に関わるスポット、どこか気になる所がないか調べておいてくれると助かります。

 (何を書こうにも就活がチラつきやがる・・・胸糞悪いが、しょうがない。しょうがないとしか言えない。)

須山。

2010年10月14日
から 須山
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初)本日のゼミ記録(後期第3回)

 ということで、毎週(飽きなければ)簡単に何やったかとか、感想とか書いちゃおうと思います。

 せっかくあるんだし、宝の持ち腐れ状態じゃあね。もしかしたら我らが後輩が見ているかもしれないしっ!(はっ

 今週は『輪違屋糸里』を課題に議論。個人的に、レポートがしっかり調べられていて良かったと思います。知らなかったことが多かったので、「ほぉほぉ」なりながら発表聴けました。

 議論はー、ちょっとまとまりきらなかったかな。自分も含め、全体的にただの本の感想から進めなかった感じがしました。

 今考えると、「新撰組以外のところにもテーマがある」みたいな話から、物語の重要人物でもあった女性たちの生き方とか考え方とか、その辺に話を持っていけたらよかったかもしれないですね。

 まあ、しかし、歴史小説であってもフィクション分の多い物語を議論するっていうのはやっぱり難しい。みんなで議論して、考えてみるに値する議題を見つけるところからして、難しい。そういう作品を読む時は「著者が書きたかったこと」みたいなことをもっと意識して読むといいのかなーとか思いますが、まあ、難しい。

 その辺もだんだんと向上できていければいいですね。

 今日はこんなところで。来週は謎のDVD『坂本龍馬』を見る予定。内容一切不明。

 ついでにフィールドワークの話もできたらと勝手に思ってるんですが、どうでしょうか。就活がさらに本格化する前に一回やってはどうか、と。

須山。