吉田悦志ゼミナール 明治大学国際日本学部

Etsushi Yoshida Seminar

3年前期 第4回目 活動記録

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初めまして、3年イベントプランナーのデカい人、福嶋です。

大好きなB’zがもうすぐ新曲を出すのが待ち遠しくて仕方ない!

…遅くなってすいません、3年生第4回目まとめていきたいと思います。

議論2回目の今回は司馬遼太郎の『燃えよ剣 上巻』について話し合いました。上巻は多摩、試衛館時代から大いに活躍した都時代までの土方歳三の姿を描いた物語。レポーターは小谷さん、司会は高橋くん。2回目ということもあって、前回よりも沢山の意見がでたように思います。

今回の議題は2つ。

1つは土方歳三の人となりについて―新撰組を作り上げていく上での歳三のやり方は、近藤から見てどうだったのか。(近藤は土方のやり方に賛成だったか、反対だったか)

そしてもう1つ、山南敬助はなぜ逃亡したのか。

1つ目の議題は同年代を生きた、と言うよりも「新撰組」という軍事組織を共に作り上げた近藤から見た土方というものでした。

新撰組が出来る前の「直参になれようが、なれまいが、どちらでもいい。」という心境から、「おれの夢は、攘夷大名になること」という心境になるまでに起きた芹沢鴨の暗殺や、池田屋事件といった土方主導によるアクションが影響して、近藤に「攘夷大名になる」という野心を抱かせた。

だとしたら、この間の土方のやり方に近藤は賛成だったか、反対だったかという議論の中盤で出た意見。

これに対しては近藤は池田屋事件の際に、土方が勘で推した池田屋に自ら行っている事からやはり近藤は土方のことを信頼していたのではないか。また信頼していたからこそ、近藤は新撰組を安心して土方に任せ自分は政治の道に興味を持つことが出来たのではないかという意見がありました。

また、近藤が土方を信頼していたと思うが、道場の経営主から新撰組の局長となり、幕府の後ろ盾を得られるようになったという彼の立場の変化も、「攘夷大名になりたい」と野心を抱く原因だったのでは、という意見もありました。

私個人としては浪士組に加盟するとなった時点で土方は近藤を大名、と言ったら大げさだけど、何かしら大きな組織の頭に据えようとしていたのではないか、と思っています。現に浪士隊が入京した時点で「歳三の闘争は、すでに始まっていた。」とありますよね。

っていうか、議論ではこんなこと言ってなかったんですけど、書き始めたらふと思いついたので書いてみます。

土方は浪士隊の権力を天然理心流系で掌握しようとしていた。浪士隊と別れ新撰組を設立した後も彼は、その権力を掌握しようとする手を緩めなかった。遂には芹沢系の幹部を粛清し、近藤を局長として新撰組を天然理心流系で掌握し遂げました。

なぜ彼自身でなく、近藤を局長としたのか。近藤が試衛館からの道場主だったから、自らが副長であった方が自由に隊を組織することができるから、それだけでしょうか。

私は土方には同門、同郷意識からくる、近藤だからその下で働くことができるという思いがあったと思います。みんなが出した意見にもあるように、近藤は土方を信頼していた、土方も同じように近藤のことを信頼していた。政治に興味がない土方にもこの人を世に出そう、この人を(大げさに言えば)大名にしよう、という思いがあったのではないかと思います。

この思いから来る土方の行動が、近藤に「攘夷大名になる」という野心を抱かせたのでは、と今更な気もする私の意見です。

二つ目の山南はなぜ逃亡したのかという議題。これは山南の置かれていた立場から考えようとなりました。

北辰一刀流で剣と水戸学を修めた山南は新撰組旗揚げ当初は土方と同じく副長でしたが、土方の手によって総長という、格では副長よりも上だが隊に対する権限、発言力が無い立場にさせられていました。

また、旗揚げ当初は「攘夷の先駆け」とその意義を掲げていたにも関わらず、時を経るうちに都の攘夷を掲げる志士を斬ることをその隊務とするようになった新撰組。その中で、尊皇攘夷の志士を多く輩出した水戸学を学んだ山南は新撰組に疑問を感じ始める。

このように脱走前の山南は総長という立場、そして思想という点で新撰組の中で孤立していたようです。

隊内で孤立しつつある中で、山南は当初の目的からずれ始めている新撰組に対し自らの逃亡、その先にある死をもって無言の批判を示したのではないか。隊の進む道に疑問を感じつつも同門の伊東一派に加担しなかったのはやはり新撰組に情があり、近藤を裏切りたくはなかったのではないか。様々な意見が出ました。

私は今までに何度か『燃えよ剣』を読んだことがあって、その度になぜ山南が新撰組から逃亡したのか考えていました。しかし毎度、結局どうして彼が逃亡するまでに至ったのかその決定的な理由を自分ひとりで見出すことは出来ませんでした。

読み方が浅いとか考えが足りない、とか言われればそれまでですが、それでも今回のゼミの議論を通して自分では考え付かなかった意見にも出会うことが出来ました。改めてゼミで議論する意義を感じられた気がします。

長い上に、まとめよりも自分の意見の方が長いですね!ごめんなさい!!

さぁ来週、じゃない、明後日!いよいよ『燃えよ剣 下巻』に入っていきます。七里研之助との決闘から土方の最期までの物語後半戦。

前回にも増して意見の出る議論にしたいですね!

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