吉田悦志ゼミナール 明治大学国際日本学部

Etsushi Yoshida Seminar

4年前期第5回ゼミ活動報告

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こんにちは、4年の福嶋です。
まずはじめにすみません!!書記ノート大事に大事に保管していて、更新するのが思いっきり遅くなってしましました…
というわけで、前回の更新から約一か月ぶりという事実に驚愕しながらも記録していきたいと思います。

前回の議論は遡ること5月9日、司馬遼太郎「峠」の下巻。
レポーター:内記さん、司会:折田さん でした。

議題:
1.長岡藩にとって継之助はどんな存在だったのか。また継之助の功績とは。
2.継之助がいう「美」とはどのようなものだったのか。

1の議題についてですが、「藩にとっての継之助」というよりも、「継之助に対しての藩」として考えると、継之助の考え、抱く理想に対して長岡藩は応える力がなかった。という印象が強かったように思います。
幕軍にも付かず、官軍にも付かない。一藩独立構想って、聞いただけでも途方もない事業に感じますよね。それを彼は本気でやろうとした。
藩の力に対して抱いた理想が大きすぎて、招いた結果が北越戦争という悲劇に繋がったとも言えるのではないでしょうか。反対にいえば、長岡藩のような小さな藩ではなく、大藩に仕えていれば継之助も存分に力を発揮していたかもしれない。

彼の功績については、結果として残るものはこれといってなかったかもしれない(だから後世にもあまり有名でないのかもしれない)けど、その過程に意味があったのではないか。
商業の面でスネルさんとのパイプを繋いだり、何よりも一藩独立構想という考えは彼の一番の功績と言えるのではないでしょうか。

それから前回からちょいちょい継之助と龍馬が比較されているのが面白い点だなと思いました。
功績について議論している時に、「継之助は立場主義のくせに、身分不相応な行動をしているんじゃないか」って意見がありました。これもつまるところ、「彼の技量、行動力に対して藩が小さすぎた」という事なのでしょうが、大体なんで彼は藩にこだわったのか。
彼の「立場主義」というのが大きいと思います。継之助は長岡藩の小禄ながら代々役人を務める、割合いい家柄に生まれました。その分藩に対する忠誠心も厚かった。
比べての龍馬は、土佐藩の中でも身分が低い家に生まれ、その分藩に対する忠誠心は薄かった。
この違いが継之助には藩中心の考え方をさせ、龍馬には藩を超えた「日本」をとらえた考え方をさせたのはないでしょうか。

次いで2の議題。継之助の「美」とは?
あれですね、小千谷会談が失敗に終わり一藩独立構想が不可能になった時。この後どうするんだろう、と思ったら彼は武士としての「美」を追い求めましたね。
なんか、意外だなーという印象を受けたのですが、皆様どうだったでしょう?それまで「行動主義」をモットーとしていろんな政策を打ち出した彼が、ここへきて武士としての「美」か、と。
それまで一藩独立を目指して諸国遊歴して学び、藩の家老として様々な施政をしてきた目標が消えてなくなってしまった時、最終的な目標として武士という「立場」としての「美」を追い求めて戦争をしたという事なのでしょう。

まぁこれって結果論というか、もうどうにもならない事だし個人的な意見なんですけど。小千谷会談、成功させてあげたかったですよね…
あれさえ成功していれば、長岡という小藩でも一藩独立も目前だったし、何よりも戦争を回避していた継之助の苦労というか政策というか、報われた訳じゃないですか!
長岡藩との関係をチラつかせた会津。基本的に会津には同情的な気分を持ってますけど、あの場面ばかりは憎かった…笑
なんというか、どうしてもその話の中心人物に肩入れして読んでしまうんですよねえ。常に中立な立場で読めるようになりたい。

この小説読むまで継之助のこと知らなかったんですけど、「峠」を通して彼のことを知って、好きになりましたねー。面接で幕末明治維新について聞かれることが多いんですけど、最近は継之助を猛プッシュしています(笑)
小久保さんが「今、こんな政治家が必要なんじゃないか」って言ましたよね!本当だと思います。彼の「行動主義」は是非とも見習いたい。

はい。そしてこの3週間は1週休講を挟んで映画「桜田門外の変」を見ました。
いやーすっきりしない最後だったー(笑)なんというか、エンタテイメントとしての映画としては少し辛いものがあったかと…その分(?)当時を知る資料としてはすごく参考になったと思います。
当時の旅の様子とか、武士とそれを匿う庶民(でいいのか?)の関係とか、すごく詳細に描かれていると思いました。

長くなりましたが、第5回のまとめを終えたいと思います。
次回、というか今日は「歳月」です。江藤新平についてもそうだし、明治維新後の日本政府についての知識が未だ乏しいので、これを機にまた学んでいきたいと思います。

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